コップの水に氷を入れると、水面に浮かびます。同じ水が固まったものなのに、なぜ沈まないのでしょう。答えは「密度」の違いです。密度とは、同じ体積にどれだけの質量があるかを表す量です。

透明なグラスのアイスティーに浮かぶ氷
液体に浮かぶ氷を、身近な飲み物で見た例。写真は純水ではなくアイスティーです。写真から密度の値を測ったものではありません。
Iced tea with ice cubes · 写真:Editor at Large · CC BY-SA 2.5。縮小・WebP変換。画像は同ライセンスで提供。

水が凍ると、水の分子は規則的な並びを作ります。この並びでは、液体の水のときよりも分子の間が広がります。そのため、同じ量の水でも氷になると体積が増え、一定の体積あたりの質量、つまり密度は小さくなります。

米国地質調査所の解説によると、氷の密度は液体の水のおよそ9割です。同じ大きさで比べると、氷のほうが軽いため、水に浮きます。ただし、全体が水面より上に出るわけではありません。氷の大部分は水中にあり、水面から見えるのは一部です。

固体になれば、必ずぎゅっと詰まるとは限りません。水では、凍ることで分子の間隔が広がります。コップの氷が浮かぶ姿は、目には見えない小さな分子の並び方が、大きな物の振る舞いを変える身近な例なのです。