うるう年は、1日を加えて1年を366日にする年です。現在広く使われるグレゴリオ暦では2月が29日まであります。「西暦が4で割り切れるか」で見分けられることが多いものの、100年と400年を単位にした例外があります。
2000年はうるう年でしたが、2100年は平年です。この違いを計算で確かめると、暦が自然の周期をどう扱っているかが見えてきます。入力した年を確かめることもできます。
うるう年は、なぜ必要?
季節がひと巡りする周期は、およそ365.2422日です。一方、カレンダーには普通、365日や366日という整数の日数で1年を並べます。自然の周期に端数があることが、うるう年の出発点です。
もし毎年を365日に固定すると、0.2422日ほどの差が積み重なります。これは1年で約6時間弱。数年なら日常で意識しにくくても、長い時間には季節とカレンダーの日付の対応がずれていきます。日を加えるのは、そのずれを小さくするためです。季節と暦の解説
0.2422日を4年分集めると、0.9688日になります。およそ1日なので、4年ごとに1日を足せばかなり近づきます。しかし0.9688日は1日ちょうどではありません。ここで1日を加え続けると、今度は暦のほうが少し長くなります。
数字の意味をつかむには、毎回少しずつ端数が出る量を、整数の単位で記録する場面を考えるとよいでしょう。端数を捨て続けても、切り上げ続けても差がたまります。暦は、日を丸ごと加える頻度を調整して、平均を自然の周期へ近づけています。
うるう年かどうかは、どの順番で判定する?
グレゴリオ暦の規則を、例外の大きいほうから確認すると迷いにくくなります。
- 西暦が400で割り切れるなら、うるう年です。
- 400では割り切れず、100で割り切れるなら、平年です。
- 100では割り切れず、4で割り切れるなら、うるう年です。
- 4でも割り切れなければ、平年です。
たとえば2000÷400は5なので、最初の条件でうるう年と決まります。2100は100で割り切れますが、400では割り切れません。そこで二つ目の条件に当てはまり、平年になります。2028は100で割り切れず、4では割り切れるため、うるう年です。国立天文台の判定規則
間違えやすいのは、最初に4で割って、割り切れた時点で判定を終えてしまうことです。2100年も4で割り切れるので、その方法だと例外を取りこぼします。4から順に調べることもできますが、その場合は100と400の条件まで進める必要があります。
なぜ400年間に97回になる?
400年の区切りとして、2001年から2400年までを数えてみます。4年ごとなら、400÷4で100回のうるう年が入ります。
ただし、その中には2100年、2200年、2300年、2400年という100の倍数が4回あります。100の倍数をいったん除くと、100−4=96回です。最後に、400で割り切れる2400年を戻して、96+1=97回となります。
つまり「100回から4回を除き、1回を戻す」という計算です。400年のうち97年は366日、残る303年は365日になります。400年全体の日数は、365×400+97=146,097日。これを400で割った平均が365.2425日です。
「1年が365.2425日」というのは、カレンダーに小数の日があるという意味ではありません。平年とうるう年を合わせた平均です。目の前の年は365日か366日でも、長い期間で見ると端数を含む周期に近づけられます。
季節と日付は、完全に一致するようになる?
うるう年を設けても、自然の周期と暦が完全に同じになるわけではありません。太陽年を約365.2422日とすれば、グレゴリオ暦の平均365.2425日との差は約0.0003日です。数字を丸めた比較ですが、4年ごとに必ず足す方式の365.25日より、かなり近いことがわかります。
ここで、季節が必ず毎年同じ時刻に始まると考えると、別のずれが生まれます。たとえば春分は、天文学では太陽の見かけの位置で決まる瞬間です。その瞬間をどの暦の日付に置くかには、年ごとの端数の積み重なりが関わります。春分の意味
また、春分などの時刻を精密に求めるには、丸めた1年の長さを繰り返し足すだけでは足りません。地球やほかの天体の運動を計算する必要があります。うるう年の規則は、暦を季節へ近づける仕組みであり、その年の天文現象をすべて求める計算式ではないのです。
秋分の日の昼と夜の長さは、日の出・日の入りと薄明の記事で詳しく読めます。
旧暦の「うるう月」も、同じ仕組み?
ずれを調整するという目的は似ていますが、加える単位が違います。日本でかつて使われた太陰太陽暦は、月の満ち欠けを基に月を区切り、季節の巡りにも合わせる暦です。
新月から次の新月までは平均約29.5日。これを12回重ねると約354日で、季節がひと巡りする1年より約11日短くなります。そこで、太陰太陽暦では時々ひと月を加え、13か月の年を作ります。この追加される月が「うるう月」です。旧暦の解説
グレゴリオ暦で2月に1日を足すことと、太陰太陽暦でひと月を足すことを、同じ「4年に一度」の規則で説明することはできません。どの自然の周期を基準にし、どの単位を加えているのかが違うからです。
うるう年を見分ける計算から出発しても、その奥には「1日」「1か月」「1年」という区切りをどう組み合わせるかという問いがあります。カレンダーの一日は、自然の周期を暮らしの中で数えられる形にするための調整でもあります。
