青い地に、植物の白っぽい姿が浮かぶ「青写真」。このシアノタイプと呼ばれる写真では、光が当たった場所にプルシアンブルーという青い物質ができ、植物が光を遮った場所が淡く残ります。

青い地に、枝分かれした海藻の淡い像と学名が写るアンナ・アトキンスの青写真
アンナ・アトキンス《Dictyota dichotoma》(1853年頃)。青いのは海藻の色ではなく、感光した背景です。淡い枝と、その間を埋める青を見比べてください。
Dictyota dichotoma · 作品:Anna Atkins / The Metropolitan Museum of Art, 2005.100.557 (18) · Public Domain。1306×1600へ縮小しWebPへ変換。トリミング・色調整なし。

代表的な方法では、鉄を含む薬品の溶液を紙に塗り、暗い場所で乾かします。その上に植物を置いて日光に当てると、光の届く部分で鉄の状態が変わり、青を生む反応が進みます。最後に水で未反応の薬品を洗い流すと、背景と植物の輪郭の差が現れます。制作方法

アンナ・アトキンスは、この方法で海藻を記録しました。海藻を感光紙に直接置いて写すので、カメラは使いません。掲載作品の青は、海藻がもともと持つ色でも、海の色を塗ったものでもありません。

枝の隙間が青く、枝そのものは淡い。その明暗をたどると、光の通り道が見えてきます。植物を描く手の動きとは違う方法で、細かな形を紙に残した写真なのです。