ファスナーが引くだけで閉まるのは、動かす部品が左右の歯をかみ合わせるからです。引手がついた部品は「スライダー」、左右に並ぶ小さな歯は「エレメント」といいます。歯を取り付けた布の部分が「テープ」です。

YKKの公式解説によると、スライダーの内部にはY字形の通路があります。閉じる向きに動かすと、左右の歯が通路の中で合流し、でこぼこがかみ合います。離れていた左右の歯が、順に組み合わさります。

青いジーンズの金属ファスナー。引手の上側で歯が左右に分かれ、下側ではかみ合っている
写真の上側では歯が左右に分かれ、下側ではかみ合っています。内部の通路は写っていません。
YKK Zipper on Jeans close up.jpg · 写真:Chris 73/Wikimedia Commons · CC BY-SA 3.0。JPEGを同寸の可逆WebPへ変換。追加のトリミング・色調整なし。加工画像もCC BY-SA 3.0。

開くときは、その逆です。スライダーを反対へ動かすと、かみ合った歯の間が内部で押し広げられ、左右に分かれます。写真でも、スライダーの上側には離れた歯、下側にはつながった歯が見えます。

歯は、写真のような金属製ばかりではありません。YKKの分類には、樹脂をコイル状にしたものや、樹脂を型で成形したものもあります。ふだん引いている小さな部品は、歯をつなぐ役と、離す役を兼ねているのです。